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『発達障害にクスリはいらない―子どもの脳と体を守る食事』を読んだ感想

こどもの発達障害に対して食育を導入するための本や教材がたくさんある中、この一冊は読みやすくて使いやすかったので、おすすめです!

『発達障害にクスリはいらない―子どもの脳と体を守る食事』By 内山 葉子/国光 美佳

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784837613572

This book is pretty popular everywhere, on Amazon, on Mercari, and did not get cheaper even if we purchase used ones (in 2024). It summarizes lots of info from multiple best-selling books on the said topic and provides several realistic recipes for daily meals.

おすすめの理由

読んでよかった点

わたしでさえ読んでからすぐ行動を起こせました!そこは感謝しています。ぜったい避けたい食べ物(パンや牛乳)について、危機感を感じるようになって決意をもってやめられました。紹介されたいくつかのレシピまで試して作れました。

At least 2 dishes mentioned in this book became routine for me to cook for my kids from time to time.

微妙と思った点

避けてほしい食べ物が多すぎますね。共働き世帯なら、母親が「配膳係」か「料理使用人」になるはずがないので、いつまでも無農薬野菜や手作りのものばかりを出せるかというとむりがあります。

For some modern ladies focusing on serious careers and generally critical of the traditional view on family and marriage, this book may be a bit hard to digest if not offensive. The author did not seem to take this type of readers’ view into consideration.

たとえば、「遅延型アレルギー」(アレルギー反応がなくてもお腹を壊すなど)について説明する章では、「シュウ酸」や「フェノール」といった物質に反応する子供がいるという理由がよくわかりました。ただし、それだと、サバ、トマト、ナッツ、ホウレンソウ、ココア、アーモンド、ぶどう、りんご、いちごまで要チェックリストに入ってしまいます(p75)。

なお、著者はあくまでも食事表をとってこどもの調子を観察してから何が合わないか探してほしいという意味です。(ただし、それでも子供にいろんな食べものと栄養素に接触する機会を減らすことになりますので、そこまで気にしなくてもいいのではないかと私が思いました。)

牛乳とパンだけを控えて、間違いなく改善へ!

この点について、私が別のブログでも実体験を書きましたが、この本では一番有力かつシンプルに(素人でも納得するように)「小麦粉」と「牛乳」の害について読者を説得できたのではないかと感じます。(時間がない方は、部分的にp55以降の数ページを読んでその後この本を閉じても有益な読書になると思います。)

「メチレーション回路」がすべての原点

この本は発達障害を脳の問題としてではなくて、全身の代謝障害として定義しつつ、こどもの代謝障害をもたらしたメチレーション回路の不調と「渋滞」を説明します。

This signal pathway influences metabolism and metabolism is said to be the huge factor of problem in most of kids diagnosed with ADHD or Autism spectrum.

By this logic the two direct conclusions are clear:

Cut down sugar or absorption of sugar that destroys metabolism! (糖分を減らすこと)

Increase amount of vegies that contain folic acid (葉酸)! (葉野菜を食べること)

Either solution is not easy (because seriously how do we encourage children to eat a lot of organic leaves for the sake of folic acid?).

どちらも容易ではないはずなので、逆の思考で代謝とメチレーション回路を阻害する食べ物を避ける、という点が重要になってきます。

メチレーション回路を阻害するもの?

エピジェネティクスの観点から

最近、エピジェネティックス(epigenetics)という研究分野が進んでいて、素人でもエピジェネティックスという言葉を耳にすることが増えたのではないでしょうか。細胞内のDNAのらせん状の形に用意されている無数の遺伝子の内、どちらを使ってたんぱく質を合成していいのか、どの部分をあえて閉じてたんぱく質を作らないようにするのか、に影響するスイッチのようなものです。らせん状のDNAをほどいたら縮めたりすることで、メチレーション回路(またはメチル化の機能)にもこのような、オンとオフとするスイッチがあるということになりますね。

つまり、メチル化する機能を阻害する物質を避ければ、簡単にメチレーション回路の「渋滞」を緩和する効果が期待されます。

This seems to me  the takeaway of this book – at least we must avoid food and lifestyle that influences epigenetics and thus may jeopardize the circulation of this signal pathway. 

炎症

エピジェネティクスについて聞いたことがある方でしたら、まずは「ストレス」という重大な要因を思い浮かぶでしょう。現代人、とくに成人でも、ストレスが健康に及ぶ深刻な影響はエピジェネティクスによって立証されています!この本もストレスについて、交感神経がつねに作動するような環境や生活スタイルを改善しよう、と説明しています。

なお、食べ物の観点から、この本は「炎症」がメチレーション回路(および代謝)に対して悪さをすることを強調しています。発達障害のこどもによくみられる炎症を考えると、腸の炎症(リーキガード)、鼻の炎症、アトピー皮膚炎、呼吸器アレルギー反応でも例として挙げられます。ご自身も、お子さんの体にこういった問題点に気づくことがあるかと思います。

それゆえ、この炎症をドストライクに緩和する方法として、グルテンと牛乳類を避けることです。牛乳は、腸にカビが発生する要因として、悪さをする一方、成分に吸収できないカルシウムがあります。より深刻に、グルテン(小麦粉)は糖分の吸収を強化する力があって、中毒性も高いです。それゆえ、この二種類の食べ物は糖分自体よりも代謝へ恐ろしい影響を与えます。

Thus the two effective and simple solutions – avoiding gluten and reduce consumption of milk. These measures that are easier to carry out can help our kids to avoid the pitfall of absorption of sugar and thus to a huge extent, already solving the problem in their metabolism.

終わりに

興味深いのは、エピジェネティクスの影響で、地中海のこどもと日本のこどもは、頻度が類似する遺伝子を持っていても発達障害の発生率がかけ離れていることが書かれています。気候、日光を浴びる時間、加工食品の割合、子供なりにストレスを抱えるライフスタイル等がエピジェネティックの要因と考えられます。(p51~)

The author also mentioned the obvious thing that even twins who inherited almost completely identical DNA they did not show same 100% matching result in their tendency to suffer from autism. It is unlikely their genes could alter themselves in a short span of human lifetime, so it has to be the “environment” – what they eat, how they live, and what their physical body and brain were exposed to.

難しい科学原理をわかりやすく簡潔に、説明できた一冊です!食育のためのみならず、精神衛生やライフスタイル、ストレスについて見なおすきっかけにもなる有益な読書でした。

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